素直になりたい

もう少しで40代が終わるゲイが思うことなど

25年

あくまで個人的な回想です。

あれから25年目の今日。

まだ夜明け前で、当時の彼の家に泊まっていた僕は、その衝撃に何が起きているのか理解不能のまま、揺れの波にただ身を任せるしかなかった。

進学で、九州を出て神戸に暮らし、恋人もできて、新入社員で働き始めた22歳の年の大震災。家具も何もかも滅茶苦茶に倒れた部屋から彼と抜け出し、震えが止まらぬ身体1つで、外へ出て。公園には不安そうに身を寄せ合う人々。何処からともなく流れてくる黒煙。こういうことがあるんだ、起きるんだ。未来なんて、分からないなと身に沁みた。

借りていたアパートは半壊で住めなくなり、交通機関も復旧が進まずで、神戸に比べれば被害が少なかった大阪の職場である店舗には、大阪に住んでいた上司の家に間借りさせてもらって働く事になった。彼と離れて、車に乗せられて大阪へ向かう後部座席で、どうしようもなく涙があふれ声を殺して泣いていた若かった自分を不憫にそして可愛く思う。あの地震の衝撃を受けて、そんな事はないと頭では分かっていても、もうこれきり会えなくなるんじゃないか・・と心が暴走してしまっていた。今思うと、彼が大好きだったんですね。一生一緒にと思ってた。あの気持ちには、もう帰れないな。

 

その彼とは、その後長く長く続いたけれど、本当にいろいろな事があって、46歳の時に、完全に終止符を打った。未来なんて分からない。そして、今は、パートナー探しの旅の途中・・

 

たくさんの思い出がある神戸の街。楽しかった事、悲しかった事、すべて。

力強く復興している姿に嬉しく思う。

とても優しかった人々の面影が浮かんで来ます。